放っておくと深刻な症状に?脂肪肝は食事療法で改善していこう

健康診断などで「脂肪肝です」と診断されて驚いた経験はありませんか?脂肪肝は食事療法によって改善することが出来るのです。放っておくと恐ろしい症状に進行していってしまう恐れもあるので、しっかりと対処することが大切ですよ。脂肪肝の基礎知識と食事療法の方法をしっかりチェックしましょう。

脂肪肝とは

 

まずは脂肪肝とはどのような病気なのか、そして肝臓の働きを知っておきましょう。

脂肪肝とはどんな病気?

脂肪肝は呼んで字のごとく、中性脂肪が肝臓にたまってしまった状態を指します。肝臓はエネルギーの元として中性脂肪を作って貯めておく働きがあり、体に送り出すという役割をしています。中性脂肪を代謝してエネルギーに変えていくのですが、消費するエネルギーよりも中性脂肪が多すぎると、余った中性脂肪はどんどん肝臓にたまっていきます。通常は肝臓に蓄えられている中性脂肪は3%?5%程度ですが、中性脂肪が肝臓の30%以上たまっている状態を脂肪肝と言います。

肝臓の働きとは

肝臓の主な働きは「エネルギーを貯蔵する」「解毒」です。糖や脂肪を代謝してエネルギーとして変換したり、タンパク質を分解して蓄え、エネルギーとして体内に送り出すという働きがあります。また、アルコールや薬、アンモニアなどの体内でできた有害物質などを無毒化する働きもあります。

脂肪肝の症状と原因は?

 

脂肪肝とはどのような症状で、何が原因で起こるのでしょうか?原因を知ることで脂肪肝を予防する方法もわかってくるはずですね。

脂肪肝の症状は

肝臓は「物言わぬ臓器」として知られています。脂肪肝そのものは自覚症状などはありません。しかし、脂肪肝が進行していくことによって、肝硬変や肝臓がんになるという可能性があるのです。脂肪肝は放っておくとどんどん重症化していきますが、肝硬変になっても、末期近くなるまでは自覚症状がありません。自分で気がつくことができないため、定期的に健康診断を受けることを忘れないようにしていきましょう。

脂肪肝には2種類ある

脂肪肝には「アルコール性脂肪肝」「非アルコール性脂肪肝」の2種類があります。

アルコール性脂肪肝

アルコールの摂取量が多いと、肝臓でアルコールの解毒が最優先で行われるために脂肪の代謝が追いつかなくなります。そのため、肝臓に脂肪が代謝されずに溜まっていったり、アルコールを分解するときに中性脂肪が作られてしまったりするためにアルコール性脂肪肝になると言われています。

非アルコール性脂肪肝

アルコール以外の原因によっておこる脂肪肝を「非アルコール性脂肪肝」と言われます。正式には「非アルコール性脂肪製肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)」と呼ばれ、肝障害としては先進国の中で最もケースが多いとされています。このNAFLDが進行していくと「非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)」という疾患になります。NASHは肝硬変の原因となり、肝臓がんに進行していくケースも見られます。

脂肪肝の原因は

脂肪肝の原因にはさまざまなことがあります。主に食生活などの要因によって脂肪肝になることが多いです。

アルコール

アルコールの摂り過ぎは脂肪肝の非常に大きな原因です。「アルコールの摂り過ぎ」とはどのくらいの量なのか、以下に列挙しておきます。下記以上の分量を日々飲んでいるという人は肝臓の検査をしてみると良いかもしれません。

  • ビール:1.5リットル(500ml缶3本、あるいは大瓶1.4本分)
  • 日本酒:3合(540ml)
  • 焼酎:3合(540ml)
  • ワイン:グラス3杯(360ml)
カロリー過多

カロリー過多も脂肪肝の原となります。現在の食生活は脂っぽい食べ物や甘いもの、ご飯・パン・パスタと言った炭水化物中心の食事によって、脂質や糖質が過剰になってしまう傾向にあります。そのため、消費エネルギーを摂取エネルギーが上回ってしまう事があります。消費しきれなかったエネルギーは中性脂肪として肝臓に地区先されていくのです。

運動不足

運動不足によってエネルギーを消費できないことも、脂肪肝になる遠因として挙げられます。

肥満・糖尿病

肥満や糖尿病の人は、インスリンの分泌量が減ってしまいます。インスリンの働きが鈍ることで脂肪が全身から肝臓に集まっていくということが起こります。なお、肥満度を表すBMIが30以上の人の75%が脂肪肝であるということがあるようです。BMIは18.5 から25までが正常範囲、25から30は軽度の肥満とされていますが、軽度の肥満でも50%の人が脂肪肝である可能性があります。

脂肪肝に適する食事療法とは

 

脂肪肝と診断された場合、エネルギー管理と栄養バランスを中心とした食事療法を指示される事が多いです。脂肪肝はなってしまったら治らないものではなく、食事療法などで改善することが可能なのです。

エネルギー管理をしっかりと

エネルギー過多が脂肪肝の大きな原因の一つですから、摂取エネルギーを管理することで脂肪肝を大きく改善させることができます。むやみに食事制限をするのではなく、自分の体重に合わせたエネルギー管理をすることが大切です。

標準体重を求める

まずは自分の身長における標準体重を計算しましょう。標準体重は以下の式で求めることができます。

 

標準体重(kg)=(身長?100)×0.9

制限するエネルギー量を求める

標準体重と自分の体重の差から、制限するべきエネルギー量を求めます。体重1kgについて25kcalから30kcalが基準と言われていますので、体重が5kg超過で150kcal、10kg超過で300kcalの食事制限をしましょう。

300kcalの食材とは

300kcalは「ご飯2.5杯」「コーラ(350ml)2缶」「ビール700ml」「板チョコ(57g)1枚」「食パン(6枚切り)2枚」が相当します。

栄養バランスを十分に

ただ単純にエネルギー制限をするだけではなく、栄養バランスもしっかりと考えた食事をしましょう。

6つの基礎食品群からバランスよく

食品は6つの基礎食品群に分類されます。この食品群それぞれからバランスよく食材を選びましょう。目標は1日あたり30品目と言われています。それぞれの量を少なくすることがポイントです。

食品群 食材 栄養分
第1群 肉・卵・魚・大豆 タンパク質
第2群 牛乳及び乳製品、小魚、海藻類 カルシウム
第3群 緑黄色野菜 ビタミン・ミネラル
第4群 果物、淡色野菜 ビタミン・ミネラル
第5群 イモ類、穀類、糖類 炭水化物、糖質
第6群 油脂、ナッツ類など脂肪の多い食品 脂質
塩分は控えめに

食事制限では塩分をひかえめにし、ハーブ、香辛料などの香りや出汁をきかせることでうまみを出すなど、味付けに工夫をしましょう。

肝臓に負担をかけない食べ方とは

肝臓に負担をかけない食べ方にも注意を払いましょう。よく噛んで食べることで消化・吸収がよくなります。早食いをするのではなく、ゆっくりと落ち着いて食べましょう。また、食後はすぐに動くのではなく、ゆったりと体を休めましょう

食事の時間にも注意する

食事をする時間も大切です。脂肪は夜間に作られることが多いため、寝る直前に食べるとエネルギーを消費することができないため、脂肪に変わり、肝臓に蓄積されてしまいます。寝る直前の2時間以内に食事をすることを避けるようにしましょう。

食事療法以外の治療法は

 

食事療法以外にはどのようなことに気をつけて生活していけばよいでしょうか。

適度な運動を心がける

エネルギーの消費を促すため、適度な運動を心がけましょう。ジョギングやウォーキングなどは手軽にできる運動ですね。自宅でできる筋トレやヨガ、スクワットなども良いでしょう。酸素を取り入れた有酸素運動を長時間行うのが理想です。プールに行くことが出来る人は、水中ウォーキングなどを行うと体への負担が少なく高い負荷をかけることができます。また、毎日少しずつでも継続して行うことが出来る運動が理想的です。

アルコールの摂取量も管理する

脂肪肝の大きな原因であるアルコールの摂取も避けましょう。完全に飲まないことが理想ですが、飲む場合には上記のアルコール量の3分の1から4分の1程度にとどめておくと良いでしょう。

薬物療法は確立されていない

脂肪肝は薬物療法が確立されていない疾患です。そのため、病院で脂肪肝であると診断されても食事療法や運動、アルコールの摂取制限などが治療の中心となります。日頃の生活を見直すことで改善できる病気ですので、しっかりと自制することが大切です。

無理のない食事療法でしっかりと脂肪肝を改善させよう

 

脂肪肝は進行すると恐ろしい症状になる病気です。自覚症状もないため、定期的な健康診断を受けることが早期発見につながります。脂肪肝と診断されたら食事療法を中心とした生活習慣の改善を行えば、しっかりと脂肪肝を解消できます。また、脂肪肝を予防するため、日頃からカロリー過多の食生活や過度な飲酒を控え、適度な運動を心がけるとよいでしょう。